タ『対局の楽しい強豪将棋ソフト』
現在いわゆる「四強」の一角を占める強豪将棋ソフトです。ただし、棋力そのものはやや他の三強に押されている感があり、市販版でもその違いを感じます。私は「新・東大将棋 無双」と「激指7」を持っていますが、無双とは全てにおいて、激指とは中終盤において、やや劣ると感じています。このため、最強レベルと対局するとか、棋譜を解析するといった用途の場合は、無双や激指の方が良いでしょう。
では、AI将棋の魅力はどこにあるかというと、作りの細やかさがあげられます。上述した2ソフトはとにかく強さ重視で、例えば対抗形の居飛車では必ずと言っていいほど持久戦に進めてきますが、AI将棋は急戦も仕掛けてきますし、勿論右四間などにも組んできます。また、2ソフトが戦型指定で「居飛車・振り飛車」しか選べないのに対し、AI将棋は対振り急戦・右玉・穴熊など、10通りに細かく戦型を指定することが可能になっています。この機能は幅広い戦型を鍛えたい人にとって、大きな助けになるでしょう。また、同じく2ソフトの棋力設定が非常に辛く、6級くらいでもかなり強い(町道場では1級から初段くらいか)のに対し、AI将棋の棋力設定は大変幅広いものとなっています。すなわち、最高レベルはアマチュア強豪クラスの実力を誇りますが、5級くらいだと町道場級位者のレベルであり、「AI接待員」レベルなどは駒の動き覚えたてくらいのレベルになっています。つまり、強い人も弱い人も楽しむことが出来るようになっているということです。
その他、棋譜解析を途中局面から開始できたり、憶測になりますが恐らく意図的に詰みを弱く設定してある・・24上級クラスの1級設定でも3手詰を見逃したり・・といった細やかさが光ります。無双や激指が目立ちますが、このソフトももう少し評価されて良い、と感じました。
イーフロンティア エ10,627円