タ『ストイックでなにか悲しさがある青春の姿』
最近将棋に興味を持ち、棋士の本などを読むようになった。
病気に冒されながら、将棋のプロになり、短い人生を終えた村山聖棋士。
学校に通えない、病気というハンディキャップが将棋に情熱をささげることで命を燃焼させる姿は感動もの。
私は成功の影には必ずモチベーションとなるコンプレックスがあるものだと持っているのだが、やはり棋士として成功したい、名人になりたいという願望もそういった病魔があってこそだったと思う。
私が一番共感できて、泣きそうになったのは少女漫画を愛読していたという点でした。
普通の人なら余りフックにかからない部分だと思うのですが、私も惨めな青春を送ったので非常に理解できる。
彼は病院、将棋といわゆる普通の青春を送ることができなかった。
健康な体で、学校に通っていたら送っていたかもしれない眩しすぎる青春を少女漫画を通じて体験していたのだろう。
十代の少年なら当然、そういう時間をすごしたくてしょうがなかったはず。
ただ健康な体だったら将棋に情熱をささげることもなく、普通の人生を送っていたはずで、これは難しいですね。
講談社 エ680円